スマートフォンで完結し、薬が自宅に届く。GLP-1受容体作動薬のオンライン処方は、いまや当たり前の選択肢になりました。一方で、「本当に安全なのか」「対面と何が違うのか」という不安の声も、当院の診察室でよく耳にします。このページでは、どちらが良い悪いという話ではなく、判断するための材料をお示しします。そのうえで、対面での診療が向いている方についても書いておきます。
オンライン診療そのものを
否定するつもりはありません
まず、公平にお伝えします。
オンライン診療は、国が制度として認めた正規の医療です。通院の時間が取れない方、近くに肥満外来がない方にとって、貴重な選択肢であることは間違いありません。実際、適切に運用されているオンラインクリニックも数多くあります。
問題は、オンラインかどうかではなく、その診療に必要な要素が含まれているかどうかです。
確認しておきたい3つのポイント
いま利用中のサービス、あるいは検討中のサービスについて、次の3点をご確認ください。
1. 診察前に、血液検査を受けているか
GLP-1受容体作動薬は、誰でも使える薬ではありません。膵炎の既往がある方、胆のうの病気がある方、甲状腺髄様がんの既往や家族歴がある方などは、使用を避けるべきとされています。また、糖尿病が隠れていないか、肝臓・腎臓の機能、脂質の状態に問題がないかも、事前に確認しておくべき点です。これらは問診票のチェックだけでは分かりません。血液検査が必要です。
「問診だけで、初回から薬が届いた」という場合、この確認が省略されている可能性があります。安全に使うための前提が飛ばされていないか、一度ご確認ください。
2. 副作用が出たとき、その日に診てもらえるか
GLP-1受容体作動薬では、吐き気や便秘といった副作用が比較的よく起こります。多くは時間とともに軽くなりますが、注意すべき症状もあります。
たとえば、みぞおちから右上腹部にかけての強い痛みが続く場合、急性膵炎や胆のう炎の可能性があります。これらは、すぐに診察・血液検査・画像検査が必要な状態です。
このとき、画面越しの診察では診断がつきません。触診も、採血も、エコー検査もできないからです。「異常があれば近くの医療機関を受診してください」と案内されて終わり、というケースは実際に起こっています。そして、事情を知らない医療機関を初めて受診するのは、患者さんにとって大きな負担です。
個人輸入は、話が別です
オンライン診療と混同されやすいものに、海外からの個人輸入があります。これはまったく別の話です。
個人輸入で入手した医薬品は、偽造品や品質が保証されない製品である可能性があります。実際、海外では有効成分を含まない偽造品や、不適切な濃度の製品による健康被害が報告されています。さらに、個人輸入した医薬品は、医薬品副作用被害救済制度(承認された医薬品の副作用被害を公的に救済する制度)の対象外です。公平にお伝えすると、国内承認薬であっても適応外使用(当院のマンジャロもこれに該当します)の場合、救済制度の対象外となる可能性があります。この点は当院もページ末尾の承認状況で明記しているとおりです。一方、肥満症治療薬として承認されているゼップバウンドを承認された範囲で使用する場合は、自由診療であっても救済制度の対象になり得ます。
個人輸入との本質的な違いは、正規流通品であることが保証され、医師が診察と検査のうえで使用し、副作用が起きたときに直ちに診療で対応できることにあります。
医師の処方を経ない個人輸入は、費用の安さと引き換えに、これらのリスクをすべてご自身で負うことになります。当院としては、おすすめできません。
こんな方は、対面での診療をおすすめします
- 血圧が高い、心臓に指摘を受けたことがある、不整脈がある
と言われたことがある方 - 糖尿病、脂質異常症などで治療中の方、または健診で指摘され
ている方 - 体重が100kgを超えている、BMIが35以上の方
- 過去にGLP-1を使って、吐き気などで続けられなかった方
- いびきが大きい、日中の眠気が強いなど、睡眠時無呼吸の
心当たりがある方 - 「いつまで続けるのか」「どうやめるのか」を、あらかじめ
決めておきたい方
これらに当てはまる方は、検査と対面の診察を組み合わせた方が、安全に、そして結果的に効率よく進められます。
当院で行っていること
参考までに、当院の診療の流れをお示しします。
① 初診で行うこと
身長・体重の測定、血圧測定、血液検査(肝機能・腎機能・血糖・HbA1c・脂質)。これらの結果と問診をもとに、使用の可否と開始量を判断します。ご希望や症状に応じて、心電図などの追加検査を行う場合もあります。
② 毎月の診察で行うこと
体重・血圧の確認、副作用の有無、食欲の変化の聞き取り。当院では、体重が月に2%以上減っている間はお薬を増やしません。効いているのに増量するのは、費用と副作用のリスクが増えるだけだからです。
③ 副作用が出たとき
お電話でご相談いただければ、当日診察します。必要に応じて採血・エコー検査を行い、その場で対応します。
当院は循環器内科ですので、高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸などの治療を並行して行えます。減量が進むにつれて、これらの薬を減らせる方もいらっしゃいます。
よくあるご質問
いまオンラインで治療中ですが、途中から通院に切り替えられますか?
可能です。現在の薬剤名・用量・開始時期・経過が分かるものをお持ちください。まず血液検査で全身の状態を確認したうえで、これまでの治療を引き継ぐ形で進めます。一からやり直しにはなりません。
費用は対面の方が高くなりますか?
当院では初診料1,000円、再診料500円、血液検査2,000円で、そのほかにカウンセリング料などの追加費用はいただいていません。また、維持期以降は注射の間隔が延びるため、月あたりの費用は下がっていきます。総額で比べていただければと思います。
通院は毎月必要ですか?
減量期は月1回です。維持期に入ると2ヶ月に1回、離脱期では3ヶ月に1回と、通院の間隔も延びていきます。
オンライン診療で処方された薬について、相談だけできますか?
診察としてお受けします。ただし、他院で処方された薬の是非を一方的に判断することはできませんので、現在の状態を確認したうえで、今後の選択肢をご説明する形になります。
迷っている段階でのご相談も歓迎します
迷っている段階でのご相談も歓迎します
まずは検査で、いまの状態を確認しませんか
「いまのままでいいのか分からない」
という段階でも構いません。
検査を受けて現状を把握するだけでも、
判断の材料になります。
医療法人志成会 のざき内科・循環器内科
愛知県岩倉市大地新町3丁目43番地
岩倉市・小牧市・江南市・一宮市・北名古屋市・
名古屋市北区から通院いただいています。
※ 効果や必要な治療期間には個人差があります。
※ 当院の肥満外来は自由診療です。
〈医薬品の承認状況等に関する重要事項〉
■ ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)
- 国内で「肥満症」の治療薬として承認された医薬品です。保険診療で使用する場合には施設基準等の要件が定められているため、当院では自由診療として提供しています。
- 国内の医薬品卸売業者を通じて正規流通品を仕入れています(個人輸入は行っていません)。
■ マンジャロ(一般名:チルゼパチド)
- 国内では「2型糖尿病」の治療薬として承認されています。減量目的での使用は、承認された効能・効果と異なる「適応外使用」(自由診療)です。
- 同成分(チルゼパチド)の製剤「ゼップバウンド」が、肥満症の治療薬として国内で承認されています。
- 同成分の製剤は、米国FDA(食品医薬品局)においても肥満症治療薬として承認されています(2023年)。
- 国内の医薬品卸売業者を通じて正規流通品を仕入れています(個人輸入は行っていません)。
- 適応外使用において重篤な副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
■ リベルサス(一般名:セマグルチド)
- 国内では「2型糖尿病」の治療薬として承認されています。減量目的での使用は適応外使用(自由診療)です。
- 同成分(セマグルチド)の注射製剤「ウゴービ」が、肥満症の治療薬として国内で承認されています。
- 同成分の注射製剤は、米国FDAにおいても肥満症治療薬として承認されています(2021年)。
- 国内の医薬品卸売業者を通じて正規流通品を仕入れています(個人輸入は行っていません)。
- 適応外使用において重篤な副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
■ 主な副作用
- 吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が報告されています。多くは治療の経過とともに軽快しますが、症状が強い場合はご相談ください。まれに膵炎、胆石症、低血糖などが生じることがあります。妊娠中・授乳中またはその可能性のある方、甲状腺髄様癌の既往歴・家族歴のある方、重度の胃腸障害のある方、膵炎の既往歴のある方は、この治療を受けることができません。
■ 効果には個人差があります
- 本ページに記載の臨床試験データは、特定の用量・期間における試験結果であり、すべての方に同様の効果を保証するものではありません。
















